性同一性障害(性別不合)とは

性別不合(せいべつふごう)もしくは性別違和(せいべついわ)は、「出生時に割り当てられた性別とは一致しない性の自己意識を持ち、自らの身体的な性的特徴に持続的な違和感を覚える状態」をいう医学的な診断名および状態像。アメリカ精神医学会のDSM-5では「性別違和(Gender Dysphoria)」、WHOのICD-11(英語版)では「性別不合(Gender Incongruence)」と呼称される。以前は性同一性障害性転換症とも呼ばれて、精神疾患として扱われた。

なお、性的特徴の変異に関わる性分化疾患、同性愛など性的指向は、それぞれ性同一性とは別個の概念であり、性別不合とは別のものである。また異性装も別の概念である。
Wikipedia

性同一性障害とは、生まれた時の体の性別(男の子または女の子)と、心で思っている自分の性別(心の性別)が「違う!」と違和感を感じる状態のことを言います。

例えば、体は男の子だけど心は女の子で「女の子として扱われたい」「女の子の服を着たい」と感じたりします。もしくはその逆もあります。ですが、これは病気や障害ではなく「性の多様性」の一つです。

「性同一性障害」という言葉は、2019年に世界保健機構(WHO)が定める国際疾病分類(ICD)の改訂に伴い「性別不合(Gender Incongruence)」という新しい用語に置き換えられました。

性別変更数調査(2022年版)

日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会によると「性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律」により、2022年末までに戸籍の性別の取り扱いを変更した者の数を調査したところ、2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響により例年より大きく現象となっていましたが、年々増加していることがわかります。

【原因】性同一性障害はどうして生まれるの?

性同一性障害の原因は研究データが極めて少なく明確な原因が解明されていませんが、「アンドロゲンシャワー説」というものがあります。

アンドロゲンシャワーとは、生まれる前の胎児期に、胎児が大量のアンドロゲン(男性ホルモン)を浴びる現象を指します。この現象は胎児の性分化、特に身体的な男性化や脳の性差形成に決定的な役割を果たします。

このアンドロゲンシャワーが何らかの理由で不足したり、脳がホルモンにうまく反応しなかったりすると、身体は男性として作られても脳の性分化が女性型あるいはその逆になり、「心の性別」と「身体の性別」の不一致で性同一性障害が生じるという仮説が有力と言われています。

決して、親の育て方や環境が直接的な原因ではありません。

【治療】どうすれば治るの?

性同一性障害は「治す」べき病気というよりも、本人の心の性別と身体の性別の不一致による苦痛や生きづらさを軽減し、本人がよりよく生きるためのサポートが重要とされています。性同一性障害の専門医師は「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」の手順に沿って、性同一性障害の診断や治療を行います。

まずは精神療法(カウンセリング)で心の性別を確認・安定させ、その後ホルモン療法で身体を望む性別に近づけ、最終段階として外科的治療(性別適合手術)へと3段階の順に進むのが一般的です。

第1段階:カウンセリング(診断)

カウンセリングでは、性別に違和感を覚えたのはいつ頃か、どんな時に感じたか、幼少期からの生育歴(服装、遊び、恋愛)、現在の生活状況(学校、仕事、人間関係)、家族との関係、ホルモン療法や性別を変更したいかの希望、身体的・精神的な症状(不眠、イライラなど)などについての詳細を聞かれます。

これは性別の違和感が他の精神疾患(統合失調症や発達障害など)によるものではなく、性同一性障害であると診断するために行います。

性同一性障害の治療を行っている東京にある自由が丘MCクリニックのホームページでは診断テストを公開しています。

自分の性に関する8項目があります。その人が体験し、または自認する性(ジェンダー)と、元の性との間に著しい不一致が、少なくとも6ヶ月、以下の項目のうち6つ以上が当てはまる場合には、性同一性障害の可能性があります。

①反対の性になりたいという強い欲求、または自分は違う性であるという主張。

②男の子の場合(MTF)、女の子の服を身につけること、または、女装を真似ることを強く好む。また女の子(FTM)の場合、典型的な女性の衣服を身につけることへの強い抵抗を示す。

③ごっこ遊びや空想遊びにおいては、反対の性の役割を強く好む。

④反対のせいに定型的に使用されたり、または行われたりするオモチャやゲーム、またはその活動を強く好む。

⑤反対の性への遊び友達を強く好む。

⑥男の子の場合(MTF)、男の子に典型的なオモチャやゲーム、その活動を強く拒み、乱暴で荒々しい遊びを強く避ける。また女の子の場合(FTM)、女の子に典型的なオモチャやゲーム、その活動を強く拒む。

⑦自分の性器の外観、構造を強く嫌う。

⑧自分の体験する性に合う第一次および/または第二次性徴を強く望む。

第2段階:ホルモン療法

性同一性障害の診断の後は、心の性別と身体の性別を一致させるために性ホルモンを体内に投与します。

MTFの場合は女性ホルモンを投与し女性化、FTMの場合は男性ホルモンを投与し男性化、身体の特性を望む性別に近づけます。治療は医師の診断と管理のもと、注射、内服薬、パッチ剤などで行われ、血栓症や肝機能障害などのリスクがあるため、定期的な血液検査と専門医によるフォローアップが必須です。

第3段階:外科的治療

性同一性障害における外科的治療は「性別適合手術(SRS)」と呼ばれ、自認する性別に身体を近づけるための「性腺・性器の手術」と、補助的な「乳房形成術・顔面形成術・声帯手術」などがあります。ホルモン治療と並行して行われます。

●陰茎・睾丸切除
●膣形成術(皮膚、腸管などを使用)
●外陰部形成術

●子宮・卵巣摘出手術
●膣閉鎖術
●陰茎形成術(陰核陰茎化、皮弁法)
●尿道延長術

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